フィリピン、海軍力強化が急務=中国と南シナ海で対立
2026/05/05 21:23配信【時事通信社】
【マニラ時事】日比両防衛相は、海上自衛隊の中古護衛艦の輸出に向け協議を開始することで一致した。フィリピンは南シナ海で領有権を巡って対立する中国に海軍力で劣り、てこ入れが急務。艦艇の調達により対処力の強化を図る。 日本政府は4月下旬、防衛装備移転三原則と運用指針を改定し武器輸出を原則可能とした。テオドロ比国防相は5日の小泉進次郎防衛相との共同記者発表で、改定に謝意を表明。「できるだけ早期に目に見える成果を生み出すため、日本と協力できて非常に喜ばしい」と語った。 フィリピン軍は長年にわたり国内の治安維持を主な任務とし、対外防衛は同盟国の米軍に依存。このため予算が陸軍に集まり、海空軍は後回しにされてきた。 しかし、1992年に米軍がフィリピンから撤退した後、中国が南シナ海に建造物を設置。その後も海洋進出の動きを強め、海警船による比船への放水や体当たりといった威圧を繰り返す。 こうした中、比政府は軍の近代化に取り組んできたが、予算の制約などを背景に思うように進まず、現有の主力戦闘艦はフリゲート艦数隻にとどまる。日本の2025年版防衛白書によると、中国軍が保有する近代的駆逐艦・フリゲート艦は94隻にも上る。 比軍が調達を目指す「あぶくま型」護衛艦は1989~93年に6隻が就役。全長109メートルで対潜・対艦ミサイルなどを備え、7600超の島々からなるフィリピンの防衛力底上げにつながるとみられている。 中古艦艇には、新造艦より調達コストが低く、早期に導入できるといった利点がある。ただ、建造後30年を超えるあぶくま型の輸出に関し、故障のリスクや維持費の膨張を懸念する声も出ている。
