安倍氏銃撃公判・識者談話
2025/12/18 21:02配信【時事通信社】
◇死刑求刑すべきだった 元検事の高井康行弁護士の話 重要な政治家が公衆の面前で選挙活動中に殺害されたということが民主主義にどのような影響を与えたのかが全く考慮されておらず、検察の見識を疑う。同種事件が再発してもおかしくない。政治的テロ目的ではないとしているが、被告が民主主義の将来に与える影響を認識できなかったとは思えない。 長崎市長射殺事件は死刑求刑だったことを考えれば当然死刑とすべきで、バランスを欠く。政治的テロ目的であってもなくても、政治に与える影響は同等だ。 ◇無期懲役は想定内 元東京高裁部総括判事の三好幹夫弁護士の話 死刑求刑もあり得たが、政治的テロとは異なるという検察の判断だろう。審理の経過から、無期懲役の求刑は想定内だ。検察側は被告の生い立ちを大きく考慮すべきでないと主張したが、生い立ちというよりも長期にわたる動機形成の事情であり、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に関する事情は考慮せざるを得ないだろう。 公判では被告の情状立証が詳しく行われており、有期刑となる可能性もある。評議では、選挙運動中であったことや、公衆の面前で銃を使用したことについても徹底した議論が望まれる。
