日比海洋交渉に中国猛反発=台湾、船舶臨検を警戒
【北京時事】日本とフィリピンが海洋境界画定の交渉入りで合意したことに、中国が激しく反発している。交渉の対象が台湾東側の海域とみられるためで、「台湾は自国領」との立場の中国は公船を常駐させてけん制。新たな日中対立に巻き込まれた形の台湾は、近海で中国公船が貨物船の臨検に乗り出すことを想定し、警戒を強めている。 高市早苗首相とマルコス比大統領は5月下旬、日比の排他的経済水域(EEZ)と大陸棚の境界画定に向けた交渉開始で合意した。中国は「当該海域には中国のEEZがある」と主張し、「第2海軍」と呼ばれる海警局が台湾東側海域に巡視船を派遣。今月上旬には別の巡視船に交代しており、公船常駐により日比への威圧を続ける構えだ。 台湾周辺は中東産原油を日本に運ぶタンカーなど、多くの船舶が通る海上交通の要衝となっている。ロイター通信によると、台湾海巡署(海上保安庁に相当)の幹部は、中国公船が東側海域で臨検に踏み切る可能性を指摘した上で、航行する船が臨検を受けそうになった際には「われわれの海域の秩序を維持するために介入する」と述べた。 緊張が高まる中、中国南部・広東省の大学が6月末に開いた学術セミナーでは、海洋問題専門家が日比交渉を非難するとともに、フィリピン北部のバタン諸島は中国領だと突如発言。中国共産党機関紙系の環球時報は今月11日、ほぼ1ページを割いて「バタン諸島は地理的に台湾本島の先にあり、主権は中国に帰属する」という専門家の一方的な見解を掲載した。当局の意をくんだ日比けん制の動きとみられる。 フィリピンは20~23日にマニラで、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議を議長国として開催。会議の場で中国の代表が、日比海洋交渉は「国際法違反」と非難する可能性がある。
