イラン早期停戦の楽観後退=トランプ氏、株安でも幕引けず―米市場
【ニューヨーク時事】米イスラエルとイランの戦闘開始から1カ月を迎える中、米金融市場ではトランプ大統領が相場の大混乱に動揺して早期停戦を迫られるとの楽観論が後退しつつある。米主要株価指数は直近高値から10%安の心理的節目を割り込み、原油高を背景に長期金利も上昇。だが、トランプ氏は高関税政策のように方針を撤回できず、紛争の幕引きの難しさが浮き彫りとなっている。 米市場では、トランプ氏の朝令暮改ぶりを「TACO(トランプ氏はいつもびびってやめる)」と皮肉る造語が浸透。昨年4月に全ての貿易相手国・地域を標的にした相互関税が発動された後、米株式・国債・ドルが一斉に売られるトリプル安に見舞われると、わずか半日で関税の一部を即時停止した。 27日のニューヨーク株式市場は、優良株で構成するダウ工業株30種平均が約7カ月ぶりの安値となる4万5166.64ドルで終了。2月に付けた史上最高値から10%超安となり、投資家の不安が強まるとされる「調整局面」入りした。ハイテク株中心のナスダック総合指数も同様の水準に下げている。 既にトランプ氏は26日の株価急落を受け、イランの発電所などに対する攻撃の猶予期限を10日延期すると発表。市場を落ち着かせようとの意図がうかがえる。それでも、市場関係者は「トランプ氏がやめたくても、イスラエルとイランが『TACO』をさせてくれないようだ」(日系証券)と語り、戦闘の長期化を織り込み始めた。 他方、米連邦政府の債務が膨張する中、政権は利払い費を押し上げる金利上昇にも神経をとがらせている。10年債利回りは27日に一時4.47%近辺まで上昇。「米国売り」の様相を呈したトリプル安に尻込みし、相互関税の一部停止に追い込まれた昨年4月の水準に達している。
