恭仁宮跡を特別史跡に=カノコユリ自生地は天然記念物―文化審

2025/12/19 18:05配信【時事通信社】

 文化審議会(島谷弘幸会長)は19日、聖武天皇が平城京から遷都した「恭仁宮跡」(京都府木津川市)を特別史跡に、カサブランカなどの原種カノコユリの国内最大規模の自生地「甑島片野浦のカノコユリ群落」(鹿児島県薩摩川内市)を天然記念物に新たに指定するよう、文部科学相に答申した。特別史跡の新指定は原爆ドーム(広島市)以来で、66件目となる。 また、古代官道で初めてつづら折りの道路が確認された因幡国山陰道跡(鳥取市)などの史跡の新指定や、近代住宅庭園の静川園(青森県中泊町)の名勝への新指定を答申。海中に陶磁器が分散する東奥武沖遺跡(沖縄県久米島町)など6件の登録記念物の新登録や、波佐見中尾皿山と鬼木棚田の文化的景観(長崎県波佐見町)の重要文化的景観の新選定も求めた。 近く答申通り告示され、史跡、名勝、天然記念物は計3398件、登録記念物は149件、重要文化的景観は74件となる。 恭仁宮跡は聖武天皇が天平12(740)年に平城京から遷都した宮都。跡地に山城国分寺が造営された。国分寺建立の詔や墾田永年私財法が出され、古代宮都の変遷や在り方を伝える極めて重要な遺跡とされた。 カノコユリは、幕末に来日した医師シーボルトが紹介したことで、西洋で高く評価された。鹿児島県・下甑島西海岸にある片野浦は国内最大規模の自生地で、土砂崩落後に強風で維持された草原に生育し、植物生態学・植物地理学上、高い価値を有するとされた。  ◇文化審議会の答申 文化審議会の新指定・新登録・新選定の答申は次の通り。 【特別史跡】恭仁宮跡(京都府木津川市) 【史跡】出羽金沢城跡(秋田県横手市)▽大桑城跡(岐阜県山県市)▽因幡国山陰道跡(鳥取市)▽羽衣石城跡附十万寺城跡番城城跡(鳥取県湯梨浜町)▽野中廃寺跡(高知県南国市)▽沖永良部島古墓群(鹿児島県和泊町・知名町) 【名勝】静川園(青森県中泊町) 【天然記念物】甑島片野浦のカノコユリ群落(鹿児島県薩摩川内市) 【登録記念物】東奥武沖遺跡(沖縄県久米島町)▽斧原氏庭園(兵庫県西宮市)▽清原氏庭園(兵庫県芦屋市)▽旧高原氏庭園(兵庫県加西市)▽ウトノアナ・ゼゼノサマ(大分県豊後高田市)▽金武鍾乳洞(沖縄県金武町) 【重要文化的景観】波佐見中尾皿山と鬼木棚田の文化的景観(長崎県波佐見町)。 


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