公益通報者への賠償請求棄却=情報持ち出し「違法性ない」―東京地裁
2025/12/19 17:58配信【時事通信社】
公立病院眼科医への贈賄罪で元社長らが略式命令を受けた米医療機器メーカーの日本法人「スターサージカル」(東京都港区)が、機密情報を持ち出したとして、元社員の50代男性に約4700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、東京地裁であった。中村心裁判官は「犯罪の告発が主な目的で、違法性は認められない」として請求を棄却した。 判決などによると、男性は2021年1月以降、内部データを複数回社外に持ち出し、同10月に解雇された。23年6月に元社長ら5人が大阪府警に書類送検され、4人が略式起訴されて罰金刑を受けた。 同社側は男性が私的な恨みで違法にデータを持ち出したと主張したが、中村裁判官は「動機に同社や上司に対する反感があったとしても違法性は阻却される」と判断した。男性がNHKに情報を提供したとする主張についても、裏付ける証拠がないとして退けた。
