日銀、0.75%に利上げ=植田総裁「実質金利極めて低い」―30年ぶり水準、金融正常化を継続

2025/12/19 15:35配信【時事通信社】

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 日銀は19日、金融政策決定会合を開き、政策金利である短期金利の誘導目標を現行の0.5%程度から0.75%程度に引き上げることを決めた。植田和男総裁は会合後の記者会見で、利上げ後も「(物価上昇を加味した)実質金利は極めて低い」と述べ、金融正常化を続ける考えを表明。今後の利上げペースは「経済、金融環境、物価の反応をよく見て判断したい」と説明した。 利上げは今年1月以来7会合ぶりで、政策金利は1995年9月以来約30年ぶりの水準となる。植田氏は、今回の利上げ後も緩和的な金融環境が続くとして、「経済をしっかりサポートしていく」と語った。 植田氏は判断の背景について、トランプ米政権の高関税政策による国内経済への影響が限定的なものにとどまり、「先行きの不透明感は次第に薄れている」と指摘。堅調な企業収益などを背景に、来年の春闘で高水準の賃上げが続く見通しであることにも言及し、「2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現の観点から、金融緩和の度合いの調整が適切だと判断した」と述べた。 日銀は金融政策運営に際し、景気を刺激も抑制もしない「中立金利」の水準を重視している。植田氏は、1~2.5%の推計値を念頭に「中立金利の下限にはまだ少し距離がある」とする一方、「推計には相当なばらつきがある」として、必要に応じて再推計を行う考えを示した。 積極財政や金融緩和を重視する高市政権の発足後、日銀が利上げを行うのは初めて。植田氏は「政府とはさまざまなレベルで意思疎通を図ってきている」と強調し、「今後も一段の努力を重ねたい」と語った。 長期金利は、日銀が今後も利上げを継続するとの見方を背景に2%台に上昇している。植田氏は、長期金利は市場で形成されるのが基本だとした上で、「例外的な動きをした場合は機動的にオペ(公開市場操作)を行う」との方針を示した。 [時事通信社]


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