推薦人が分散・流動化=派閥解消影響、思惑も―自民総裁選

2025/09/22 20:44配信【時事通信社】

 自民党総裁選に出馬した5候補の推薦人(各20人)を見ると、一つの「派閥・旧派閥」が半数以上を占めたのは茂木敏充前幹事長のみだった。派閥解消により党内の流動化が進んだ形だ。唯一存続する麻生派の議員は、林芳正官房長官を除く4陣営の推薦人に分散。支持拡大や決選投票を見据えた各陣営の戦略も見て取れる。 派閥裏金事件を受け、党内では麻生派以外の5派閥が解散した。ただ昨年9月の総裁選では、9候補のうち4陣営の推薦人は、特定の派閥・旧派閥が半数以上を占めていた。 茂木氏の推薦人は自身が率いた旧茂木派が最多の12人。前回の14人から減少したもののなお6割を占めた。麻生派の3人も名を連ねた。茂木氏は麻生太郎最高顧問と良好な関係を続けている。 林氏の推薦人は旧岸田派が8人で、昨年の15人からほぼ半減。林氏は旧岸田派でナンバー2の座長を務めていた。中谷元防衛相、江藤拓前農林水産相ら無派閥が9人だった。 高市早苗前経済安全保障担当相は麻生派が6人、旧安倍派と旧二階派が各5人とバランスを取った。選択的夫婦別姓に賛成する松島みどり氏(旧安倍派)も加え、タカ派色を薄めた。前回は旧安倍派が14人を占め、その多くが裏金事件に関与していた。 小林鷹之元経済安保相は無派閥が7人で、このうちベテランの浜田靖一元防衛相を推薦人代表に据えた。麻生派と、自身が所属した旧二階派は各4人だった。 小泉進次郎農水相は推薦人代表に安倍晋三元首相の側近だった加藤勝信財務相(旧茂木派)を配して保守層に配慮した。無派閥は9人に上り、後見人である菅義偉副総裁に近い議員が含まれた。麻生派と旧茂木派は各3人だった。 総裁選は1回目の投票で誰も過半数を獲得できず、決選投票に進むとの見方がある。この場合、派閥・旧派閥単位で票が動く可能性がある。なお有力者が影響力を行使しているように見える総裁選について、党関係者は「党内の論理に絡め取られ国会で野党から批判を浴びれば、途端に政権運営は立ちゆかなくなる」と懸念を示した。  ◇自民総裁選候補の推薦人の内訳 【小林鷹之氏】 無派閥7人◇麻生派4人◇旧二階派4人◇旧茂木派3人◇旧安倍派2人 【茂木敏充氏】 旧茂木派12人◇無派閥4人◇麻生派3人◇旧安倍派1人 【林芳正氏】 無派閥9人◇旧岸田派8人◇旧安倍派2人◇旧二階派1人 【高市早苗氏】 麻生派6人◇旧安倍派5人◇旧二階派5人◇無派閥3人◇旧茂木派1人 【小泉進次郎氏】 無派閥9人◇麻生派3人◇旧茂木派3人◇旧岸田派2人◇旧二階派2人◇旧森山派1人 (注)候補は届け出順。旧派閥の所属は、解散を表明した時点。 [時事通信社]


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