冤罪女性に1.9億円補償案=服役20年、弁護団「不十分」―豪
2025/08/08 14:33配信【時事通信社】
【シドニー時事】オーストラリア東部ニューサウスウェールズ州の司法当局は7日、実子4人を亡くした女性が殺人などの罪で20年間服役し、再審で無罪となった冤罪(えんざい)事件を巡り、任意の補償金200万豪ドル(約1億9200万円)を支払う案を提示した。これに対し、弁護団は8日、「失われた20年と釣り合わず、不十分だ」と反発し、積算根拠を示すよう求めた。 補償金を申請していたのはキャスリーン・フォルビッグさん。1989~99年に乳幼児だった4人の子供を相次いで亡くした。2003年に殺人と過失致死の罪で「禁錮25年以上」の実刑判決を受け、服役。しかし、科学的調査で4児が遺伝子変異による自然死だったことが23年に判明して恩赦され、再審で無罪となった。 弁護団は「彼女は、子供も仕事に就く機会もなくし、今も精神的な傷を負っている。提示額は苦痛の程度を反映していない」と主張。州当局に算定に関する調査を要求している。豪メディアによると、別の冤罪事件で19年間服役した男性に700万豪ドル(約6億7200万円)が支払われた前例がある。