事故描いた演劇制作=風化懸念「忘れちゃいかん」―映画監督の森岡さん・日航機墜落40年

2025/08/08 05:04配信【時事通信社】

 1985年の日航ジャンボ機墜落事故を描いた舞台演劇「幸せになるために」が、2020年から公演されている。脚本と演出を手掛ける映画監督の森岡利行さん(65)は、事故から40年となる今年、風化への懸念を抱き「忘れちゃいかんよな」と思いを新たにする。 劇では客席を含めた会場全体をジャンボ機内に見立てて、激しく揺れる機内でパニックになった乗客が悲鳴を上げたり、乗員が必死に声掛けしたりする様子を再現している。フィクションとして事故の犠牲者や、その家族らが事故後に生きる姿を描いた。 森岡さんは「墜落していく飛行機の中で、機長やキャビンアテンダント、乗客らが頑張ったことを伝えたい」と話す。制作に当たっては、運輸省航空事故調査委員会(当時)の報告書や複数の文献を参考にした。 国会では今年、事故原因に自衛隊が関係しているなどとする言説が問題視された。森岡さんは昨年まで、そうした言説に影響されていたが、国会で取り上げられたことなどを契機に「助けに来た自衛隊に申し訳ない」と思ったという。今年の公演では脚本を書き直し、国会での議論の様子も盛り込む考えだ。 森岡さんは「芝居にするなどして人が見やすいように伝えていくことがわれわれの仕事かなと思う」と語った。 今年の公演は10月に東京・赤坂で行われる。 


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