ガザ市の制圧案承認=全域支配へ、第1段階か―イスラエル
2025/08/08 06:30配信【時事通信社】
【カイロ時事】イスラエルのネタニヤフ政権は8日未明、治安閣議で、パレスチナ自治区ガザの中心都市ガザ市を制圧する方針を承認した。米ニュースサイト「アクシオス」は、ガザ全域を占領する計画の第1段階だと伝えた。閣議ではイスラム組織ハマスとの戦闘終結の前提となる「五つの原則」も採択された。 ネタニヤフ首相は、75%程度とされる現在の占領地域をガザ全域に広げる意向を示していた。しかし、ザミール参謀総長らイスラエル軍幹部は「ハマスに拘束されている人質に危害が及ぶ」として完全占領に反対。報道によると、治安閣議は日付をまたいで約10時間続いた。 承認された新たな作戦計画は、ガザ市住民に南部への避難を呼び掛けた上で実施される。同市での作戦完了後、他の地域を占領対象にするとみられる。ガザ市には100万人近くが暮らしているとされ、制圧作戦が実施されれば民間人犠牲者の増加は避けられない。 戦闘終結に向けては、(1)ハマスの武装解除(2)人質全員の帰還(3)ガザの非武装化(4)イスラエルによるガザの治安管理(5)ハマスやパレスチナ自治政府ではない民政機構の設置―の五つを原則とした。 ただ、ハマスは武装解除に反対している上、国際社会は「戦後統治」への自治政府の関与を想定している。イスラエルがこれらの原則を実現するには相当な困難が伴うと予想される。 [時事通信社]